≪風俗営業許可≫
1.風俗営業とは
風俗営業というと、性的なサービスのものと思うかもしれませんが、バーや社交飲食店・ゲームセンター・パチンコ店等8つの営業種別に該当するものをいいます。 また、性風俗関係の営業は「性風俗特殊営業」として別に区分けされています。 これらは、すべて公安委員会の許可又は届出を行い、営業しなければなりません。
風俗営業は、許可の際に図面の作成が必要だったり、条件を満たした設備が必要など、厳しい要件があり、手続きに不備があると営業の開始が遅れ、開業準備にも影響が出てきますので、注意が必要です。
風俗営業許可が必要かどうかは、そのお店の業態によってそれぞれ違います。
許可申請等の窓口は営業所(無店舗型の場合は事務所又は住所地)を管轄する警察署の生活安全課になります。
2.風俗営業の種類
A.風俗営業許可
- キャバレー等(1号営業、キャバレー)
- バー、クラブ等(2号営業、社交飲食店)
- ナイトクラブ、ディスコ等(3号営業、ダンス飲食店)
- 麻雀(7号営業、マージャン店)
- パチンコ(7号営業、パチンコ店等)
- ゲームセンター、ゲーム喫茶(8号営業、ゲームセンター等)
B.性風俗特殊営業の届出
C.深夜酒類提供飲食店営業の届出
3.3つの要件
風俗営業許可取得には、大きく分けて以下3つの要件を満たす必要があります。
Ⅰ人的要件
Ⅱ構造的要件
Ⅲ場所的要件
この3つの要件をすべてクリアできなければ許可がおりません。業態によって要件は多少異なりますが、ここでは「社交飲食店(キャバクラ等)を行う場合の要件をお伝えします。
Ⅰ 人的要件
人的要件とは、申請者の人の要件のこといいます。下記に該当する方(法人の場合、役員)は欠格事由に該当し、許可の取得ができません。
- 成年被後見人若しくは被保佐人
- 破産者で復権を得ていない者
- 1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ又は無許可営業
- 公然わいせつ、賭博、管理売春、児童淫行等の罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられた者で、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者。また風俗営業の許可を取り消されてから5年を経過しないもの。
- 集団的に又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為を行うおそれがある人
- 精神病者、アルコール、麻薬、大麻、あへん等の覚醒剤中毒者
- 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者
* 外国人の場合の、申請できる在留資格
- 日本人の配偶者等
- 永住者、特別永住者
- 定住者
Ⅱ 構造的要件
構造的要件とは、営業所の中の構造的要件をさします。営業所内の構造に問題があれば、申請は通ったとしても、その後の実地調査で不許可となります。
- 客室の床面積は、和風の客室に係わるものは、1室の床面積を9.5m²以上とし、その他のものにあっては1質の床面積を16.5m²以上とすること。ただし、客室の数が1室の場合は この限りではない。
- 客室の内部が当該営業所の外部から容易に見渡すことができないものであること。
- 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。 ⇒ 高さが1m以上の遮蔽物は不可。
- 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾、その他の設備を設けないこと。
- 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通じる出入口については この限りではない。
- 営業所内の照度が5ルクス以下にならないよう維持されるため必要な構造又は設備を有すること(5ルクスとは、新聞雑誌が読める程度の明るさをいう)。
- 騒音又は振動の数値が条例で定める数値に満たないよう必要な構造又は設備を有すること。
- ダンスの用に供するための構造又は設備を有しないこと。
Ⅲ 場所的要件
場所的要件とは営業所の場所にかかる要件のことをいいます。営業所を中心として、規定の距離内に下記の保護対象施設が存在してはいけません。規定の距離は、都道府県によって条例で定まっています。
| 保護対象施設 | 施設名 | |
|---|---|---|
| 学校 | 小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾(ろう)学校、養護学校および幼稚園(学校教育法第1条)。 ※専修学校、各種学校は「学校」には含まれません。朝鮮学校、アメリカンスクール等は、現行法上「各種学校」とされているため、「学校」には含まれない。 |
|
| 図書館 | 内容 | 図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保管して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設(図書館法第2条)。 |
| 設置者 | 地方公共団体、日本赤十字社、民法第34条による公益法人(図書館法第2条)※学校に付属する図書館、図書室は除かれます(これらは「学校」として保護対象施設とされます)。 | |
| 児童福祉施設 | 助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、児童厚生施設(児童館・児童センター・児童遊園地)、児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設、j児童自立支援施設、児童家庭支援センター(児童福祉法第7条) | |
| 病院 | 医師又は歯科医師が医業又は歯科医業を行う場所であって、20人以上の患者の入院施設を有するものをいいます(医療法第1条の5)。 | |
| 診療所 | 医師又は歯科医師が医業又は歯科医業を行う場所であって、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいいます(医療法第1条)。※但し、風俗営業許可との関係では、患者の入院施設を有しないものは保護対象施設から除外されています(施行条例第1条第4号)。 | |
特定地域
以下の地域においては、距離の基準に関係なく、営業を行うことができます。
| 中央区 | 銀座4丁目から同8丁目までの区域 |
| 港区 | 新橋2丁目から同4丁目までの区域 |
| 新宿区 | 歌舞伎町1丁目、同2丁目(9番、10番及び19番から46番まで)及び新宿3丁目の区域 |
| 渋谷区 | 道玄坂1丁目(1番から18番まで)、同2丁目(1番から10番まで)及び桜丘町(15番及び16番)の区域 |
保護対象施設までの距離制限一覧
| 風 俗 営 業 |
用途地域 | 保護対象施設 | 距離 |
| 近隣商業地域 | ・学校(大学を除く。) ・図書館 ・児童福祉施設(助産施設を除く。) |
100M | |
| ・大学 ・病院(第一種助産施設を含む) ・診療所(8人以上の患者を入院させる施設を有するものに限る。) |
50M | ||
| ・第二種助産施設 ・診療所(7人以下の患者を入院させる施設を有するものに限る。) |
20M | ||
| 商業地域 | ・学校(大学を除く。) ・図書館 ・児童福祉施設(助産施設を除く。) |
50M | |
| ・大学 ・病院(第一種助産施設を含む。) ・診療所(8人以上の患者を入院させる施設を有するものに限る。) |
20M | ||
| ・第二種助産施設 ・診療所(7人以下の患者を入院させる施設を有するものに限る。) |
10M | ||
| その他の地域(原則住居地域以外) | ・学校 ・図書館 ・児童福祉施設 ・病院 ・診療所(患者を入院させる設備を有するものに限る。) |
100M |
◇ 最後に
営業制限地域内の場合、原則許可を取得することは不可能ですので、場所的要件の調査が最も重要となります。新店舗の準備をすべて済ませてから許可が下りなかったでは、大変な損失となってしまいますので、十分な調査、確認をしてから開業の準備を行うようにしましょう。




