養護学校職員辞職から改めて見る、介護業界の深刻な闇

養護学校職員辞職から改めて見る、介護業界の深刻な闇

介護業界を悩ます問題

介護の現場では1人の労働が全てへ伝播する

仕事を担当する人間の数が不足すると、その穴を在職している人間が担当しなければならない。個人的な体験だが、筆者にも身に覚えがある。専門的かつ一番業務量が多く失敗が許されない仕事を任されることもあったが、その後任となる人間を責任者が育てていないという点が一番気になった。とにかく出勤していればこの人間に任せていればいい、なんて考えをしていたのかもしれないが、それがどのような影響をもたらすか考えて行動してもらいたいとその頃は常に思っていた。どこでもそうだが、自分が主に担当していた仕事は後に引き継がなければならない人にきちんと伝達しなければならない。特に1人だけで担当していた場合には、どの作業をどのようにこなして処理しなければならないのか、1から10までの段取りをきちんと説明する必要がある。その場しのぎでなんとかなるだろう、などと考えている時点で企業としての品格を疑うところだが、それは介護の職場においてもそうだ。

責任の取りようがない大事な仕事が連続する介護の現場、そこから1人が退職するだけでも戦力的に兵士が100人減ると思ってくれればいい。鳥取の養護学校においては非常勤職員が全員辞職する事になってしまったが、この場合においては純粋な戦力として考えると万の兵士が一挙に敵前逃亡するような状況と言ってもいい。戦時下であれば銃殺刑だが、逃げる選択をした人々にとっても自分が生きるために必要な選択だった場合もある。

介護の仕事を志し、そこで長く働いていけたらいいと考えている人も実際に多いでしょう。高齢化社会となっている日本では介護職員の数は年々増え続けているが、それに対応して職場改善も同時進行で行われているとは限らないのです。また職員がいなくなる事態によって、介護施設そのものの運営が出来なくなるほどの痛手を負ったところも少なくない。

介護の現場は人手不足?!

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3人退職=新規入居募集の停止

介護の現場の中には平均年収が高いところもある、需要に応じて仕事の忙しさも加味しての当然の対価となって言える。そういった現場で働けるなら多少忙しくも、介護の現場の辛さも耐えられると思って働く人もいるかもしれないが、現実はそううまく運ばなかった。東京都心のとある特別老人ホームでは、ある時職員が退職を決意する、その数およそ3人だ。この老人ホームでは常勤とパート、合わせて30名ほどの職場となっており、先の鳥取の養護学校と比べれば大分マシな状況のように見える。

しかし退職する3人の理由が何とも切実なものだった。

『心も体も疲れきり、もう続けられません』

ホーム側としては引きとめようとしたのかもしれないが、この一言で何も言えなくなってしまっただろう。何があったのかは背景事情こそ把握できないものの、やはり給与が安定しているというだけでは介護の現場における業務負担は計り知れない事を証明している。

3人の戦力がいなくなったために残りの職員で穴を埋めるために休日出勤をするなどして対応していたが、ままならなかった。人手が足りない状況で募集をかけたり、派遣による人材も取り入れるなどしているが画期的といえるような改善策は見つからなかったという。ついには、人手不足の影響によって老人ホームへの新規入居の募集停止を決意するまでに至ってしまう。

希望していない人が存在していないわけではない、それこそ中には入居待ちをしていた人もいたがそれも叶うこと無く水の泡と化してしまった。介護の現場において人手不足が意味すること、それは心身ともに消火しきれないストレスをその身に宿してしまうのだ。

介護施設運用のために必要なこととは・・・

人材そのものは増加傾向に

どうして人手不足という問題を解消できないのか、その点が非常に気になる。単純に介護職を希望している人が年々減り続けていると表面的な部分だけで見ればそのように取れるかもしれないが、紐解いてみると介護職を志す人は年々増え続けている傾向にある。これまでの増加傾向と今後予想される人材がどれほど増えるかという目測まで立てられている資料があるため、参照してみるとこのように変遷しているという。

  常勤 非常勤
平成12年 55万人 26万人
平成24年 149万人 70万人
平成27年 167~176万人(推計) 81~85万人(推計)
平成37年 237~249万人(推計) 128~134万人(推計)

今年はまだ統計している最中なのではっきりしたことは分かっていないが、平成12年から24年までの増加傾向を見ると恐ろしく跳ね上がっているのが見て取れるはずだ。単純に需要があるからと考えると、仕事の幅が広がるからという点もあるかも知れない。何せいずれは高齢化社会となって介護を必要とする人々が増えることは確実なのは言うまでもないからだ。だからこそ政府としても介護面で人手が増えるように施策を行い続けていたのかもしれないが、それでもこの人数では支えられる人の数はたかが知れている。

将来性よりも即戦力を

増えてはいる、需要もあるかも知れないがどうして介護の職場で人手不足問題が解消されない理由には、やはり即戦力として活動できる人を大半の職場が期待しているからだろう。介護を志すとしても、経験の浅い人、それこそ未経験者の採用など大半の職場が敬遠する点だ。失敗の許されない現場だからこそ経験豊富な人材を求めたいという意思を示しているところが多い。

一概に否定はしないが、経験者だから優秀とは限らないためこの判断基準も正直あてにならない。『経験が有る=仕事ができる』という図式は成り立たない、一から教育して育てる事に難色を示すのはわかるが、それではいつまでも人手不足からは解消されないだろう。色々と判断基準に迷うところだが、介護の現場で騒がれている問題として挙げられる人手不足はこうした背景事情が一番絡んでいるのかもしれない。