養護学校職員辞職から改めて見る、介護業界の深刻な闇

養護学校職員辞職から改めて見る、介護業界の深刻な闇

介護保険の引き下げにより

平成27年から介護報酬改定が実施

介護業界で1つの改革が行われた、2015年1月9日の日に行われた『介護報酬改定に関する審議報告』において、ここでは75歳以上の高齢者がこれからも住みやすいようにしていくというシステムの改革が実施された。業界とすれば一部では余計なことを、と考えているところもあるかも知れない。一般の人達にとっては何のことなのかさっぱり分からないと事態を飲み込めない人もいるはずだ。なのでまずはその点からも説明していこう。

この改革では主に『中重度の要介護者、並びに認知症高齢者への対応』について、これまで以上に水準を上げて行っていこうというものだ。中重度の要介護者といっても幅広いが、重度の要介護者とは自立して歩行することも叶わず、食事や排便、入浴などの日常的な行動すらも行うことが出来ない人が良い例だ。認知症高齢者についてもそうだ、認知症の患者の場合だと中には失踪して行方が分からなくなってしまう人も出てくるなど、その人の状態にも左右されるがとにかく1人でまともに生活できない人の事を主に指している。

こうした人達に対する介護強化ということで主に、

  • ①:中重度の要介護者などを支援するための重点的な対応
  • ②:活動と参加に焦点を当てたリハビリステーションの推進
  • ③:看取り期における対応の充実
  • ④:口腔・栄養管理に係る取り組みの充実

上記のような対応をこれからは更に強化していくという動きとなる。他にも人材面の不足を解消し、サービスの効率かつ効果的な提供といったものを成しえるためとなっている。言葉だけで言えば簡単そうに聞こえるかもしれないが、実態はそう簡単な話ではありません。これらの改革を行っていくために施設ごとに受渡がなされている介護報酬、こちらの引き下げが行われたのだ。この引き下げによって机上では効果的な解決策となると言われているが、本当にそうなるのだろうか。

そういった事も含めて少し考察してみよう。

介護の現場は人手不足?!

キャッシャーの不正防止、従業員の接客内容の確認。コンサル マネジメント

どうして改定されたのか

今回の改定によってこれまでの報酬と比べると、およそ2.27%の引き下げが行われた。マイナス改定と言われるとどうしてもネガティブな問題しか出てこない、実際業界から批判と悲観の両意見ばかりが出ていると言われているほどだ。更に引き下げられて今後の運営に支障をきたす、経営そのものができなくなってしまうという見方もなされている。意見だけ抽出すると良くないことしか起こらないと思われているが、果たして本当にそうなのだろうか。業界に携わっていない人間にすれば否定的な意見には同情的・感傷的になりやすい。国はなんて酷いことをするんだという意見を挙げている人もいるかもしれないが、偏見的な意見であるため参考にならない。

そもそもどうして改定が行われなければならなかったのかについて考えてみると、あることが見えてくる。どこの業界でもあることだが、介護施設の中には報酬として受けた金額を一部、内部留保しているところはある。マイナス改定ではこうした内部留保された資金にメスを入れた形になるのだ。介護報酬が支払われているといっても、そのお金を出しているのは国民の血税によるものだ。また40歳以上の介護保険を負担している人たちも例外ではない、報酬として受諾した利益を使わずに貯蓄しているとなったらいい気がしないのは明白。問題が問題として取られていなかったがために、国としても見過ごせなくなってきたといえる。

ただでさえ人手不足という長年解決という一文字にも付けずに放置し続けていた動きとしては、緩やか過ぎるがそれでも離職率などはこれから軽減していくだろうと言われている。はっきりとした数値が出るまで時間は要するが、その点については来年期の数字が出るまでが様子見といったところだろう。

介護施設運用のために必要なこととは・・・

大手ならいざ知らず、中小規模では

内部留保に関する問題を解消すれば活性化に期待できると言われているが、マイナス改定により被害を被るのは大手介護施設だけではなく中小の介護施設にもその影響がダイレクトに伝播してしまう。とある施設では介護報酬が減額されることにより、これまでよりも収入が60万円も減少するという。またこの数字として正社員も1人解任しなければならなくなった。負担が増えたばかりだから介護報酬を引き上げて欲しいという声も挙がっているため、複雑な思いを抱えた人が多いのも否定出来ない。

国いわく介護報酬を改めれば業界も改善されると言われているものの、成果として出るにはまだまだ時間はかかると見ていい。ただ倒産する会社は増加する傾向にあるとも言われており、現状このままいけばある地域によってはおよそ7割近い介護施設が事業を閉鎖しなければならない事態になるとも言われている。